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キヨミズに叩きのめされたハナビがふらつきながらも立ち上がる。大笑いするキヨミズ。
「偉そうなことばかり言いおって。両手首、腰、両足首に潜ませている武器で私に勝ってみせろ」 「しゃあないな。俺の最強の武器を見せてやるよ」 PR |
「酔拳。酔えば酔うほど強くなるのら。そろ動きは予想れきない」
「ふざけおって」 キヨミズの前蹴りがハナビを襲う。ハナビはバランスを考えないほど反り返って、キヨミズの前蹴りを避け、体をくねらせて妙な動きをしながらバランスを保ち、一歩下がる。バランスを保つために前傾姿勢になったハナビの後頭部にキヨミズが踵落しを放つ。 地面に叩きつけられるハナビ。ハッパは今にも泣きそうになっている。ハナビが痛みをこらえながら立ち上がる。 |
キヨミズの一撃でハナビは吹っ飛んだ。苦しげに咳をしながら立ち上がるハナビ。キヨミズは微笑みを浮かべて、直立の姿勢に戻った。
「やはり、少しはやるようだな。だが、言っておく。手加減した」 「いってえなぁ、全く」 ハナビは、その場で高くジャンプする。その高さは人並み外れていた。ハッパは驚いて、頭を上下させながらハナビの動きを追う。キヨミズはつまらなそうな顔をしている。 「ジャッキー・チェンとやらいう奴から学んだ技でかかってこい!」 |
地下組織のリーダーのカエサルはハナビにでかい銃を向ける。地下組織の子供ハッパはハナビにしがみつく。
「子供!死にたくなかったら、そいつから離れろ!」 「子供!?お前、この子の名前も知らないのか」 「名前を憶えるのに値することをそいつは何もしていない」 空気がビリビリ震えているように感じた。ハナビの回りを炎が渦巻いているように見えた。僕はこんなに激怒している人を見たことがなかった。 |
誰もいない袋小路で、マッチがヨーヨーの練習をしている。両手でヨーヨーを自在に操っている。
ハナビは、あれから笑わなくなった。話もあまりしない。トレーニングはしているが、機械的にやっている感じだ。こんな時代に子供が一人死んだくらいであんなに落ち込んでいるのが僕には理解できない。僕が死んだら、ハナビは泣くかもしれない。でも、他に泣く人間はいない。ただ、消えてなくなるだけだ。ここを出よう。…昨日もそう思った。…その前も、その前も、その前も、そう思った…。 |