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夜の小路。闇の中で、子供が袋に詰めた食料を確認し、菓子類を自分のポケットに移している。上から小さな影がすーっと降りてくる。
「おい、コイシ」 急に名前を呼ばれて、驚きのあまりコイシは座り込んでしまう。 「俺だよ、俺」 闇の中からハッパの顔が現れる。 「な、なんだ、ハッパかよ。脅かすなよ」 「お前、ビックリしすぎだよ」 「ハッパだって、ビックリするさ…そういえば、お前、地下組織を出たら名前を変えるって言ってたけど、新しい名前は?」 PR |
「キヨミズさん、この武器はあなたのことを想定してつくられてる」
「私のことを!?」 「そう。このスイッチを押すと先端の小さな銃口が開いたり閉じたりする。閉じているときは一点を狙い、破壊する。そして開いたときは、弾が飛び散り、広範囲に傷つける。速さでよけるものを傷つける」 「それで、お前はあの時変な動きをしていたのか。その武器を手に入れてどうする」 「調べる。こういう武器をつくる奴は危険だ。武器にはつくったものの考えが刻み込まれている。俺はこいつをつくった奴の思考形態を知りたい。生き抜くためには、禍々しきものの心を知る必要がある」 |
丸太の上半分から様々な方向に棒が突き出している。それは、拳法の練習用に人を模してつくられた木人。
「やるよ」 ハナビは高く跳び上がり、一番上の棒に踵落しを放とうとする。 『それでは威力が半減する。なぜ私の様に体全体の力を使って両踵を落とそうとしない』 キヨミズが渋い顔をする。ハナビの右踵が振り下ろされるとともに左足が振り上げられる。棒を右踵と左足がはさんだ瞬間、ハナビはすごい勢いで身をひねった。棒が乾いた悲鳴をあげて吹っ飛んだ。 |
マッチがキヨミズの正面に立って睨みつけている。キヨミズが腰を屈めて、マッチの顔をジッと見てから、体を起こす。
「お前、綺麗な顔をしているな。そんな怖い顔をしていたら、べっぴんさんが台無しだ」 マッチは歯を食いしばって、より一層強く睨む。 「お前は巫女の匂いがする。何故しゃべらぬ。お前の声は美しく、人々を癒すはずだ。お前の歌を聞いてみたいものだ。どれほど素晴らしいものか」 マッチの顔を不安がよぎる。 |
ハナビとキヨミズの互角の闘い。ハナビの元へ七節棍を持って駆けていくハッパ。じれたカエサルはマッチに向かって銃を撃った。数十個の弾丸が広がらずに真っ直ぐに突き進んでいった先にマッチはいなかった。ハナビが獣のような咆哮とともに突き出した両拳の勢いに、後ろへ飛ぶキヨミズ。ハナビはハッパから七節棍を受け取ってカエサルに向かう。ハナビを追おうとするキヨミズの前に両手を広げて立ちはだかるハッパ。カエサルは躊躇なくハナビに向かって銃を撃つ。
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