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【2024/11/23 00:27 】 |
埋葬/レボリューション・ファイアワークス(#11)
倉庫から食料を盗んだ地下組織の子供たちがポリスに囲まれていた。ハナビとマッチは子供たちを助けようとするが、一人が撃ち殺され、ハナビは身を挺して子供を守ろうとする。
ダメだ、間に合わないよ、ハナビ。なんで、そんな子供のために…。
その刹那、マッチの頭の中で声が響いた。
あんたの力借りるよ!踏ん張りな!
ポリスたちの叫び声が響き渡る。振り返るハナビ。ポリスたちの銃が直径50cm位の炎に包まれている。ポリスたちは、銃を落とし、手に受けた火傷の激痛に転げ回っている。マッチは全身の力が抜けたかのように座り込んでいる。
「ガキどもら、さっさと逃げろ!」
走り出す子供たち。ハナビに助けられた子供は、ハナビと撃ち殺された子供を見ている。
「お前もさっさと行け!あいつは俺が連れてく!あいつの名前は?」
「カイ」
ハナビに尻を叩かれ、走り出す子供。
「迎えに来るまで、待ってろ」
ハナビはマッチを抱えて、グローブの紐を倉庫の屋上に引っ掛けて跳び上がり、マッチを屋上に放り出して、地上に戻る。そして、撃ち殺された子供を背負って走り出す。ポリスの一人が警笛を鳴らす。
ちっ!ガキどもらが捕まっちまう。こっちに引きつけるしかないか。
ハナビはポケットから警笛を取り出して吹きながら走る。空き家の戸を開けて、子供を中に隠し、再び警笛を鳴らしながら走り出す。十字路を通り過ぎるときに左から走ってくるポリスを確認し、後ろに何かを放り投げる。十字路は煙に包まれ、苦しそうな咳の音が聞こえてくる。正面遠くにポリスの姿が見える。ハナビはそのポリスに向かって警笛を吹き鳴らし、棒の調整をしながらダッシュしていく。ポリスは相手が逃げる気がないと知り、立ち止まって、銃を構える。ハナビも立ち止まり、ポリスに向かって棒を構える。ニヤリと笑うポリス。
「伸びろ、七節棍!」
棒が一瞬にして鎖でつながれた7つの短い棍に分かれて一直線に伸びていき、ポリスの銃を突き落とした。一番先の棍が上に軌道を変えて、ポリスの顎を打ち、一瞬にして元の一本の棒に戻った。ポリスに向かってダッシュするハナビ。棒は一瞬にして元の形に戻っている。倒れたポリスにグローブで電気ショックを叩き込む。ハナビは再び警笛を鳴らしながら走っていく。

僕は倉庫の屋上で空を見ていた。ハナビが助かったことの喜び、自分がうまく戦えた嬉しさ、過去の悲しい記憶、おじさんとの旅、そしてあの声…。いろんな事が頭の中を駆け回っていた。それにしてもあの声…なんだかいやらしい女の人の声のようだった。マッチは頭の中に強い衝撃を浮け、頭を抱えた。
「おい、大丈夫か?」
ハナビだ!
マッチは立ち上がったが、少しふらついている。ハナビはマッチを背負って、屋上を駆け、グローブの紐をつかって地面へ降りた。

ハナビは、空き家で僕をおろし、撃ち殺された子供を背負った。僕がふらついているので、ハナビはゆっくりと歩いてくれた。ハナビは何も話さなかった。とても悲しそうな顔をしていた。街を出て、荒野を歩き続けた。石が積まれていたり、板が立っている場所に着いた。ここは、おじさんと来たことがある。あいつらに死体を渡さずに埋める場所だ。空いている場所を探し、ハナビは子供をおろした。スコップをどこからか持ってきて、黙々と穴を掘った。僕は座って、そんなハナビをジッと見ていた。穴を掘り終わると、そこに子供を横たえた。子供の口を水でしめらせ、顔の横にパンを置くと、ハナビは首から下げた指輪を握り締めて祈った。土をかぶせ、大きめの石を埋めていって、『カイ』という大きな文字を作った。ハナビは墓を見ながら、崩れるように膝をつき、手をついて泣き出した。僕が死んだときもハナビは僕を埋めて泣いてくれるのだろうなと思いながら、僕は左手でヨーヨーの練習を始めた。ハナビは泣きつづけ、僕には時間の感覚がなくなっていった。周りが暗くなってきて、恐ろしくなった僕は、ハナビを揺すった。ハナビは僕を見て「ありがとう」と言って立ち上がり、ふらふらと歩きだした。僕はハナビの力ない目を初めて見た。自信に満ち溢れていて笑顔で話すハナビはいなかった。僕は、そんなハナビに腹が立った。なんだか悔しくてしょうがなくって、歩きながら涙を流した。

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【2011/08/29 12:37 】 | 小説 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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