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ハナビが皆にゴーグルを配る。
「催涙ガスを使うことになるから、ゴーグルをしろ。警官隊が村になだれ込んできて戦いが始まった時にプリズニングされている。つまり、村の入り口が戦いの場だ。ブレード!ここはお前に任す」 ブレードは空を見ながら口笛を吹いている。ハナビが通りの入り口中央に黒い筒を置いた。 「俺たちは残りの三つの入り口に散る。警官隊を気絶させて、村人に縛り上げさせろ」 ハッパとランチャーが頷く。 「マッチ。俺たちが位置についたらプリズニングをといてくれ」 「わかった」 PR |
鼻先に刀を突きつけられたブレードは歓喜の表情で刀に囁いた。
「俺を挑発しているのか?いや、誘ってるな、お前」 ハナビは刀を引き、再び柄の底を膝で蹴る。刀は瞬時にして元の姿に戻り、美しさを閉じ込めた。 「どうする?」 「三日間組手をしたら、そいつを俺にくれるのか?」 「これはお前のために作ったものだ。やるよ」 ブレードはハナビから刀を受けとると、すぐに刀に美しさを取り戻させ、刀を振り始める。 |
朝、みんなが集まっていた。
「三日間移動したら、次の村に着く。悪いが、この三日間はブレードとだけ組み手をする」 「おいら、一回しかしてないよぉ」 ランチャーが不満そうにつぶやいた。 「三人でやってくれ」 マッチが笑顔で頷き、それを見たランチャーも小躍りするが、ハッパは不満げな顔を隠そうともしない。 「特別扱いはやめてくれ。俺はこいつらよりも強い。こいつらも鍛えなけりゃいけないだろうが」 「ブレード、お前が強いのは分かっている。だけど、お前が強いのは相手を殺してしまってもいいと思ってるからだ。人を殺さずに倒す強さをもってくれ。それが俺たちと一緒に闘うための条件だ」 「俺はお前たちと一緒に闘うなんて言ってねえ!」 |
ブレードがパンチを繰り出すが、ハナビは簡単に受け流す。
「何してんだ!強くなりたいんだろ。いつものように殺す気でかかってこい。お前の手が刃だ!」 ハナビが手刀をふって見せる。ブレードが手刀で攻撃してきた。先ほどのパンチとは違い、殺気を帯びた鋭さがある。 「頭突きだ!」 ブレードが頭を突き出すが、ハナビがその頭をはたく。 「頭も刃だ!全身刃だと思え!次、足!」 鋭い回し蹴りがハナビを襲うが、ハナビはスレスレで避ける。 「もう一度、頭!」 先ほどとは比べ物にならない頭突きを避けるハナビ。 「体で受けろ」 ハナビが掌底をブレードにぶち当てた瞬間、ブレードの体から刃が飛び出す。ハッパが叫び声をあげる。 |
ハナビがランチャーと組手をしている。
「じゃあ、次は防御だ。さっきと同じように踊りながら俺の攻撃を受け流せ。俺の方が速さを合わせるから、受け流す時だけ速く動く必要はない。リズムを狂わせるな」 頷くランチャー。 「遅いリズムからだ」 ランチャーが遅いリズムで踊りだす。そこにハナビが同じ速度で突きや蹴りを放っていく。ランチャーはそれをうまく受け流していく。ランチャーの動きをまねるマッチとハッパ。やがてハナビの突きがランチャーに当たり、よろめく。 「どうして突きが当たったか分かるか?」 「分からない」 「動きが単調だ。次の動きが分かれば、どこを攻撃すればいいか分かる」 ランチャーは大きく頷いて、踊りだす。今度は複雑な動きになっている。 「いい!すごいじゃないか。リズムも好きに変えていいぞ」 マッチとハッパもランチャーのまねをしようとするが、うまくいかない。 「おまえら!ランチャーのまねをしたいんだったら、自分の踊りを踊れ!」 ハナビが一定のリズムで攻めていく。それをランチャーが変幻自在に受け流す。 「こっちもリズムを変えていくぞ」 ハナビがすーっとランチャーの懐に入り、一気に突き飛ばす。 「まだまだ」 ランチャーはすぐに立ち上がり、今度は複雑に踊りながら攻撃していく。ハナビはゆっくりとしたリズムで確実に攻撃を受け流す。マッチはハナビの動きをまね始める。ふっとハナビの姿が消えた。ハナビはスライディングしながらランチャーの脚を挟んで倒す。 「まだまだ」 またすぐに立ち上がったランチャーの目の前にハナビがいた。ハナビはランチャーを突き飛ばす。ランチャーは倒れたまま大きく息をしている。 「ここまでだ」 ハナビはブレードの方を見た。ブレードはプイと横を向き、その場を離れて行く。 |